足尾銅山と山地荒廃の歴史(その8)

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 昭和48年(1973)、開山以来70万トン余りの銅を産出してきた足尾銅山も
採鉱部門が廃止となり、360年余り続いた銅山開発の歴史に幕を閉じました。

 現在は一部の工場で細々と銅の再生だけが行われています。

 しかし、銅山が閉山しても、森林を回復させるという事業が終わったわけでは
ありません。毎年たくさんのお金が使われ、森は少しずつ回復してきています。

 昭和30年代前半に植栽した木は樹高9m、直径20cm前後に生長しました。
 荒廃していたころはカラ沢と呼ばれていた沢にも常に水が流れ、魚も戻ってきました。
 動物もネズミ、キツネ、サル、シカ、カモシカ、クマなどが顔を出すようになりました。
施工前の久蔵沢右岸斜面(1955年) 施工後36年経過した久蔵沢右岸斜面(1991年)

「足尾の治山」(林野庁)パンフレットより。
 最近になって、新たな問題が生じてきました。木を植えてもシカなどの動物が
食べてしまうのです。そこで、シカなどが入らないように植林した所を
柵で囲ったり、幹の周囲にプラスチック製の網を巻くなどして保護をする
努力が続けられています。

ニホンカモシカ シカの食害にあった樹木
(樹皮が食べられてしまっている)

林野庁前橋営林局提供写真より。

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